FASHION / TREND & STORY

伝説的デザイナー、フィービー・ファイロがリアルスタイルで大切にしている哲学

10月30日(現地時間)に自身の名を冠したブランドのデビューコレクションを発表し、ファッション業界の話題を独占しているフィービー・ファイロセリーヌ(CELINE)をカルト的な人気を誇る地位へと押し上げるなど、女性のために服をつくる女性として数々の功績を残してきた彼女自身のリアルスタイルを掘り下げる。
Photo: Patrick Kovarik/Getty Images

フィービー・ファイロのドレス姿を想像するのは難しいかもしれない。しかし、まだ駆け出しの頃のパリ時代にはお腹見せデザインのトップなど、ドレス以上に今の彼女のイメージからかけ離れているアイテムも着用していた。「20代はとにかく慌ただしかったです」と2005年に『VOGUE』に語ったファイロはその後すぐ、家族との時間を優先し「人生の基盤を整える」ために3年間デザイナー活動を休止。2008年にセリーヌCELINE)のクリエイティブ・ディレクターとして復帰した。そこで自称“働くデザイナー”の彼女は、トレンドに左右されるファストファッションよりも、着やすさと実用性を重視する、自身のような現代女性のための上質なワードローブを作り始めた。

ではファイロ自身は、実際どのようにこの哲学を自分のワードローブに取り入れているのだろうか。一言で言えば「一貫性」だ。「とにかくメンズウェアが大好きなんです」と以前語った彼女は、ユニフォームのように徹底された、ほぼモノクロのスタイルを好んで纏っている。白シャツ、バイカージャケット、着心地のいいセーターなどをメンズアイテムと合わせ、スニーカーやビルケンシュトックBIRKENSTOCK)、ときには自身が手がけたカルト的人気を誇るシューズでコーデを完成させることが多い。“エフォートレス”という言葉はこの業界では多用されているが、移り変わっていくトレンドに流されるのではなく、自分に似合う服を着るファイロを表現するのにふさわしい言葉だ。

2017年にセリーヌを去って以来、露出を控えているファイロ。「ファッション界の神託者であり、スフィンクスのように謎めいた存在」と『VOGUE』が評した彼女のスタイル変遷を振り返る。

1999年

Photo: Ron Galella/Getty Images

セントラル セント マーチンズCENTRAL SAINT MARTINS)在学時からの友人で、公私ともに親しい間柄のステラ・マッカートニーと、当時二人が在籍していたクロエ(CHLOÉ)ニューヨーク店のオープニングにて。

2002年

Photo: Gruber/Getty Images

2003年春夏パリコレクションのバックステージにて。

2003年

Photo: Giovanni Giannoni/WWD/Penske Media via Getty Images

クロエ 2004年春夏パリコレクションのショーにて。

2004年

Photo: MARTIN BUREAU/AFP via Getty Images

クロエ 2004-05年秋冬パリコレクションのショーにて。

2004年

Photo: JEAN-PIERRE MULLER/AFP via Getty Images

クロエ 2005年春夏パリコレクションのショーにて。

2005年

Photo: Steve Eichner/WWD/Penske Media via Getty Images

ファッションジャーナリストのヘイミッシュ・ボウルズとメットガラにて。

2005年

Photo: Michel Dufour/WireImage/Getty Images

クロエ 2006年春夏パリコレクションのショーにて。

2006年

Photo: Dave M. Benett/Getty Images

英国アカデミー賞BAFTA)のプレパーティーにて。

2008年

Photo: Nick Harvey/WireImage/Getty Images

ロンドンの老舗ギャラリー、サーペンタイン・ギャラリーで開催されたリチャード・プリンスの個展「Continuation」のプライベートビューイングにて。

2009年

Photo: Monica Feudi/Gorunway.com

セリーヌ 2010年春夏パリコレクションのショーにて。

2010年

Photo: Ian West/PA Images via Getty Images

ロンドンで行われたブリティッシュ・ファッション・アワードにて。

2011年

Photo: Michel Dufour/WireImage/Getty Images

セリーヌ 2011-12年秋冬パリコレクションのショーにて。

2011年

Photo: Rabbani and Solimene Photography/Getty Images

ニューヨークで開催されたCFDAアワードにて。

2014年

Photo: David M. Benett/Getty Images

夫のマックス・ウィグラムと2015年春夏ロンドンコレクションで行われたソランジェ・アザグリー・パートリッジ(SOLANGE AZAGURY-PARTRIDGE)初のメンズプレゼンテーションにて。

2014年

Photo: Monica Feudi/Feufiguaineri.com

セリーヌ 2015年春夏パリコレクションのショーにて。

2014年

Photo: Phil Oh

2015年春夏パリコレクションのストリートにて。

2015年

Photo: Bertrand Rindoff Petroff/Getty Images

セリーヌ 2016年春夏パリコレクションのショーにて。

2016年

Photo: Bertrand Rindoff Petroff/Getty Images

パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンで開催されたLVMHヤング ファッション デザイナープライズにて。

2016年

Photo: Estrop/Getty Images

セリーヌの2017年春夏パリコレクションのショーにて。

2023年

Photo: Max Cisotti/Dave Benett/Getty Images

作家キム・シオンのバースデーパーティーにて。

この記事は2016年3月5日に掲載されたものをアップデートしたものです。

Text: Laird Borrelli-Persson Adaptation: Anzu Kawano
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